シーン 8 · 仕事で
お願いのやわらかさ階段 The politeness ladder
1場面
取引先とのメールのやりとりで
相手が言います
Is there anything else you need from us?
2今日の一文
Could you send it by Friday?
/kʊd ju ˈsɛnd ɪt baɪ ˈfraɪdeɪ/ · could you · SEND it · by FRI·day
金曜までに送っていただけますか。
Could は can の過去形ですが、きのうの話ではありません。相手から一歩さがる、の合図です。音は Could の /d/ と you の /j/ がつながって、/kʊdʒu/ のように聞こえます。
まず一度、最後まで聞きましょう。
3なぜ、これで通じる?
日本語は、語尾を変えて丁寧さを調整します。送って → 送ってください → 送っていただけますか。英語にも同じ階段があります。ただ、のぼるときに増えるのは謝る言葉ではなく、文法の距離です。
4あなたの番
相手
Is there anything else you need from us?
あなた
Could you send it by Friday?
押すと、点が三つ灯ります。そのあいだに声に出して返し、最後に見本と比べます。
5もう一度、同じ文
意味は隠してあります。声に出してから、開いてください。
Could you send it by Friday?
意味を見ないで、言ってみましょう。
意味を見る
金曜までに送っていただけますか。
まだ時間があるなら、この文のまわり
階段をのぼる
スライダーを動かすか、段をタップしてみましょう。段が上がるほど文は長くなり、相手との距離も一歩ずつ開きます。どの段にも、Sorry はありません。
1段目 · いつもの距離
Can you send it?
/kən ju ˈsɛnd ɪt/ · can you · SEND it
送ってくれる?
2段目 · 仕事の標準
Could you send it by Friday?
/kʊd ju ˈsɛnd ɪt baɪ ˈfraɪdeɪ/ · could you · SEND it · by FRI·day
金曜までに送っていただけますか。
3段目 · 相手の気持ちを先に聞く
Would you mind sending it by Friday?
/wʊd ju ˈmaɪnd ˈsɛndɪŋ ɪt baɪ ˈfraɪdeɪ/ · would you MIND · SEND·ing it · by FRI·day
金曜までに送っていただいても、よろしいでしょうか。
4段目 · 質問ですらない
I was wondering if you could send it by Friday.
/aɪ wəz ˈwʌndərɪŋ ɪf ju kʊd ˈsɛnd ɪt baɪ ˈfraɪdeɪ/ · I was WON·der·ing · if you could SEND it · by FRI·day
金曜までに送っていただけないかと思いまして。
段を選んで、まず一度、最後まで聞きましょう。
文法の距離:一歩。時制がひとつ、過去にさがりました。
please があるから、2段目くらい? タップして確かめましょう。
階段の外です。命令文の Send it. に please がついただけなので、「丁寧な指示」になります。マニュアルの手順や、上司が部下に段取りを伝えるときには自然です。でも、相手に「断る余地」を渡していないので、お願いというより指示に聞こえます。please は手すりのようなもの。どの段にも添えられますが、段そのものはのぼりません。Could you please send it by Friday? なら、2段目に手すりがついた形です。
謝って、のぼろうとした
I'm very sorry to bother you, but please send the file.
読んだ人は「何か問題が起きた?」と身構えるかもしれません。しかも最後は、命令文のままです。
距離で、のぼった
Could you send me the file by Friday?
短い。謝っていない。それでも、ちゃんと丁寧です。
パターン・ストーリーカード
仕事のレーン、最初のカードです。過去形なのに、過去の話ではない Could に、名前をつけておきます。
Pattern Story Card · No. 5
Could は距離
過去形なのに、きのうの話ではない。相手から一歩さがるための形。
Could は過去形です。でも、きのうの話をしているわけではありません。英語では、時間を過去にずらすと、気持ちも少し遠くに置けます。「今、ここで、あなたに」の圧が、ひとつ弱まるのです。日本語の「いただけますか」が、動作を相手から「もらう」形にして距離をつくるのと、よく似ています。謝る必要はありません。一歩さがって、同じことを聞くだけです。
覚え方:時制をひとつ過去にさげると、相手との距離がひとつ広がる。🪜
どの段で言う?
5つの場面です。相手と、お願いの大きさを見て、段を選んでみましょう。△ が出ても、理由を読めば次に生きます。
今日のクエスト
できたものにチェック。全部でなくて大丈夫です。
- 同僚への小さなお願いを、Can you で見ないで言える
- 「Could you ___ by Friday?」の空欄に、自分の仕事のことばを入れて言える
- Would you mind…? に、引き受ける返事ができる:Not at all. / Sure, no problem.
6まとめと、次へ
相手との距離は、謝らなくてもつくれます。